大阪大発の製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)は7日、新型コロナウイルスワクチンの開発を中止したと発表した。2020年3月から開発を進めてきたが、臨床試験で効果を確認できなかったという。山田英社長は「安全性に問題はなかったが、期待した水準に至らなかった」とコメントした。
ウイルスの遺伝情報をDNAによって体内に送り込む「DNAワクチン」の開発を目指し、国内メーカーとして初めて治験を実施。これまで、厚生労働省などから約75億円の補助金を受けた。20年4月に吉村洋文・大阪府知事が「(20年)9月にも実用化したい」と発言したことで注目を集めた。
開発中止で、大阪大やタカラバイオなどとの共同研究も終える。今後、変異株のオミクロン株「BA・5」などにも有効な改良型DNAワクチンの開発を始めるという。
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