酒弱い人、胃がん発症リスク高く 遺伝子解析で関連判明

 日本を含む東アジアに多いとされる、アルコールを代謝しにくい体質の人が飲酒をすると、スキルス胃がんに代表される治療の難しい「びまん型胃がん」の発症リスクを高めるとする研究結果を国立がん研究センターなどが14日、発表した。千人以上の患者のがん組織を遺伝子解析した。発症予防や治療法発見につながると期待される。

 もともとびまん型胃がんと飲酒の関連は指摘されていたが、遺伝子解析で初めて裏付けられた形。研究チームの柴田龍弘・がんゲノミクス研究分野長は「代謝しにくい人が飲酒する際は注意が必要だ」としている。

 がんの中でも胃がんは患者数と死亡者数がそれぞれ3位と多い。チームによるとびまん型は胃がん全体の約3割を占める。

 今回、日本人697人を含む米国や中国などの胃がん患者1457人の検体について、遺伝子解析を行った。すると、アルコールを分解しにくい体質の人の飲酒と、びまん型胃がん患者に特徴的な遺伝子変異に関連が示された。こうした体質の人は飲酒によって変異が起きやすい可能性があるという。

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