ブラックホール囲む「リング」確認 赤外線望遠鏡で観測 京産大など

 巨大ブラックホールを取り囲むダスト(ちり)が作る輪のような構造「ダストリング」を赤外線望遠鏡の観測で確認したと、京都産業大の岸本真教授らの国際研究チームが発表した。論文は18日、米科学誌アストロフィジカル・ジャーナルに掲載された。

 研究チームは2010年から、地球から6200万光年離れた渦巻き銀河「NGC4151」中心部の巨大ブラックホールを米カリフォルニア州のウィルソン山天文台で観測。周辺のガスが落ち込んでいるブラックホールの中心部から噴出する高エネルギーのプラズマ「ジェット」に対し、垂直の方向にダストがリング状に広がっていることを確認した。

 リングの半径は0.1光年。複数の赤外線望遠鏡を組み合わせ、高い解像度を実現することで確認できたという。 

 巨大ブラックホールの中心部には、周辺のガスが落ち込む円盤構造と、その外側にリング状のダストがあると予測されている。岸本教授は「ダストリングが確認できたことで、円盤構造の存在も強く示唆され、長年の予測が裏付けられた」と話している。

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