ロシアは26日、プーチン大統領の監督の下、核戦力を運用する陸海空軍部隊による核弾頭搭載可能なミサイルの発射演習を行った。露大統領府が発表した。ロシアは核兵器の運用能力を誇示し、侵略を続けるウクライナや同国を支援する米欧諸国を威圧する思惑だとみられる。17日から核抑止演習を開始した北大西洋条約機構(NATO)に対抗する狙いもあるもようだ。
演習の目的について、ショイグ露国防相はプーチン氏に「敵からの核攻撃に対する反撃の訓練だ」と報告した。タス通信が伝えた。
発表によると、露北部プレセツクの基地から大陸間弾道ミサイル「ヤルス」、北極圏のバレンツ海から潜水艦発射型の弾道ミサイル「シネワ」を発射。いずれも数千キロ先の極東カムチャツカ半島の演習場に設置された目標に命中した。戦略爆撃機ツポレフ95も航空機発射型の巡航ミサイルを発射した。
ロシアは定例の核ミサイル発射演習「グロム」を秋に実施することが多く、今回の演習もグロムの枠組みで行われたとみられる。グロムは2020年には実施されず、21年の演習はウクライナ侵略開始直前の今年2月19日に延期して行われた。
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