猛暑日が続く山陰地方。水分補給を欠かせないが、実は、一歩間違えると怖い病気を引き起こす恐れがある。
厳しい残暑が続いている山陰地方。熱中症対策について街で聞いてみると…
街の人:「水筒を。」「水ですね。」「水は1日2リットル以上飲むようにしてますね。」
福山佳那記者:「熱中症対策として多くの人が心がけている“水分補給”なんですが、摂り方によっては重篤な症状につながる危険があるんです。」
それが「ペットボトル症候群」。
正式には「ソフトドリンクケトーシス」という病気で、糖分の入った飲み物を飲みすぎることで急性の糖尿病を引き起こすことをいう。
よしだ内科医院 吉田眞人医師:「水分を摂る目的で飲んでいるソフトドリンク、スポーツドリンクも糖分も一緒に摂っていることを認識しないといけない。」
本来、体内の糖分は膵臓から出される「インスリン」というホルモンの働きでエネルギー源となる。
しかし、習慣的に体内に多量の糖分が入り続けるとインスリンの働きが鈍くなり、血液中に糖があふれる高血糖状態となる。
こうなると、糖分をエネルギー源として使えなくなるため、体は脂肪や筋肉を分解して、エネルギーを作り出そうとする。
この状態のとき、体内にはケトン体という化合物が発生してしまう。
ペットボトル症候群では、このケトン体が体内で増えすぎた結果、吐き気や腹痛、最悪の場合は意識障害やこん睡といった命に関わる重篤な症状を引き起こす。
よしだ内科医院 吉田眞人医師:「すごくのどが渇く、のどが渇くから飲む、これが一番危険なサインなんですね。血糖値が高い状態になりますと非常に口が渇きやすくなります。今暑いから口が渇きやすいんだとばかり思わないで、糖尿病が始まりかけている。口が渇くのがそのサインだと思って欲しい。」
日頃から清涼飲料水をよく飲んでいて最近やたらとのどが渇く、尿の量や回数が増えたといった症状が見られる場合、ペットボトル症候群を疑う必要があるかもしれない。
では、どのような水分摂取を心がければよいのか?
吉田眞人医師:「血糖値が一気に上がるような飲み方をしない。これが一番大事。スポーツドリンクを一口飲み、お茶や麦茶を一口飲み、両方を同時に少しずつ飲みながら半日にお互い1本ずつくらい、これが一番理想。」
糖分の量に注意しながらスポーツドリンクも上手く活用し、こまめに水分補給をすることが大切だ。
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