ヨーロッパリーグ(EL)は18日に決勝戦が行われ、フランクフルトとレンジャーズが対戦した。
スペインのラモン・サンチェス・ピスフアンで行われる2021-22シーズンのEL決勝戦。ドイツのフランクフルトと、スコットランドのレンジャーズがタイトルをかけた大一番に臨んだ。フランクフルトでは、今大会5ゴールを奪う鎌田大地も先発入り。長谷部誠はベンチスタートとなった。一方のレンジャーズでは、得点ランクトップに立つ(7ゴール)タヴァニエらがスタートからピッチに立っている。
両クラブサポーターによる強烈な歓声の上がる中、試合は序盤から激しい展開に。5分の競り合いのシーンでは、フランクフルトMFローデの額が切れてしまうアクシデントも。一時の中断を挟んだ後、11分にサイドチェンジから鎌田大地にビッグチャンスが訪れたが、良い形でシュートまでは持ち込めなかった。
前半はフランクフルトが優勢に沈め、20分にはクナウフのシュートがGKマクレガーを襲うと、直後のCKでのトリックプレーでもチャンスを作る。26分にはアリボに反転から際どいミドルシュートを許したが、32分にはコスティッチが自ら持ち運んでシュートを放つなど、押し気味で試合を進めていく。しかし得点は奪えず、終了間際にはチャンスも作られたが無失点を維持。前半はスコアレスで折り返す。
後半もフランクフルトが積極的に前に出て、48分には鎌田のパスからリンドストロムがビッグチャンス。52分にはボックス内でボレが倒れたが、笛は鳴らなかった。
すると57分、やや押されていたレンジャーズが先制する。跳ね返されたボールをフランクフルト陳内でソウが浮き球を頭で処理しきれず、ボールは後方へ流れる。すると追いかけたトゥタが転倒し、反応したアリボに追いつけず。ボールを持ったアリボがGKとの一対一を制してゴールへと流し込んだ。大舞台でレンジャーズが大きな先制点を奪う。なおこのプレーでトゥタは負傷し、長谷部誠と交代となった。
先制されたフランクフルトだが、直後にコスティッチが絶好機。ボールを握る展開は変わらない。67分、ハイプレスからボールを奪って鎌田にこの日最大のチャンスが訪れたが、飛び出したGKの上を狙ったシュートは枠を外れた。それでも69分、フランクフルトが試合を振り出しに戻す。コスティッチが左から鋭いクロスを送ると、一瞬のスキを突いて飛び込んだボレがワンタッチで押し込んだ。
同点直後、フランクフルトはリンドストロムに代えてハウゲを投入。一方のレンジャーズも2選手を交代するなど、両チームともに勝負に出る。終盤は互いに相手ボックス付近でチャンスを作ったものの、勝ち越し点は生まれず。試合は延長戦に突入する。
緊迫の延長戦、フランクフルトは95分に敵陣でボールを奪ったボレが決定機。99分には鎌田のヘッドを受けたクナウフがドリブルで持ち込んでシュートまで行くが、枠を外れた。107分のフルスティッチのミドルシュートも枠をとらえず、111分にボックス内で鎌田が倒れたシーンはノーファウル。114分のケントのシュートはGKトラップが正面で止めた。レンジャーズは118分、右からのクロスにケントが飛び込んだが、ここもGKトラップがファインセーブ。両チームとも疲労困憊の中で死力を尽くして戦ったが、120分でも決着がつかなかった。試合の行方はPK戦に委ねられる。
レンジャーズ・サポーターの前で行われたPK戦は、両者3人目まで成功。するとレンジャーズ4人目ラムジーのキックをGKトラップがストップする。そしてフランクフルト5人目ボレが成功し、フランクフルトがPK戦を5-4で制した。
この結果、フランクフルトが42年ぶりの欧州カップ戦優勝を達成。鎌田と長谷部は、2002年(UEFAカップ時代)の小野伸二(フェイエノールト)以来、20年ぶりに日本人選手としてELの頂点に立っている。また、来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。
■試合結果
フランクフルト 1(5)-(4)1 レンジャーズ
■得点者
フランクフルト:ボレ(69分)
レンジャーズ:アリボ(57分)
0コメント