新系統のオミクロン株、国内で初の確認…渡航歴のない仙台の2人

 厚生労働省は28日、仙台市内で確認された新型コロナウイルスの感染者が、「オミクロン株」の新系統に感染していたと発表した。オミクロン株の「BA・1」と、国内で置き換わりが進む「BA・2」の遺伝子が交ざっているが、国内外で見つかっている「XE」など、すでに分類されている系統とは異なるという。国内で確認されたのは初めて。

 発表によると、感染者は3月下旬に発症し、4月中旬に仙台市衛生研究所によるゲノム解析で新系統の可能性があったため、国立感染症研究所が詳しく調べていた。感染者に重い症状はなく、すでに療養期間を終えている。発症前14日以内に海外渡航歴はなく、周囲でこの系統の感染者は見つかっていないという。

 感染研によると、この系統の感染力など詳しい性質はわかっていないが、感染が広がっていないことから、担当者は「特に心配する状況ではない」と話す。新系統は、異なる遺伝子のウイルスに同時に感染し、体内で遺伝子の組み換えが起きてできるケースなどがあるが、今回の感染者の状況は不明という。

 厚労省は「感染力の強さや重症度など、国内外の情報を収集するとともに、変異株の動向を引き続き監視していく」としている。

0コメント

  • 1000 / 1000